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中大江・北大江エリアの史跡探訪レポート 24

大阪歴史散歩の会 中大江・北大江エリアの史跡探訪レポート 24

新選組定宿 船宿 京屋忠兵衛跡
                         中央区天満橋京町3-6(福助ビル~フロマージュ天満橋店)

「八軒家船着場」は、古くから「窪の津」「渡辺の津」といわれ、平安時代から四天王寺や熊野詣の人々の上陸地であった。
江戸期にはこの辺りに船宿が8軒あったことから八軒家と呼ばれた。京・大坂を淀川で結ぶ場として非常に賑わっていた。
新選組定宿「京屋忠兵衛」は、現在の土佐堀通南側フロマージュ満橋店から福助ビルに該当する。間口は「京橋弐街目」の水帳によると11間(11×1.8182=20.002m)ほどあった。
文久3年(1863)4月21日、将軍徳川家茂護衛のため新選組(当時は壬生浪士組)が下坂し京屋に宿泊した。
6月2日にも芹沢鴨、近藤勇、山南敬助、沖田総司、平山五郎、野口健司、永倉新八、斎藤一、島田魁、井上源三郎が宿泊した。このとき大坂相撲力士との乱闘事件を起こす。9月にも宿泊。元治元年(1864)7月に
は禁門の変後の大坂で残党狩りのため23日より宿泊した。
慶応2年(1866)1月19日には龍馬の護衛をしていた三吉慎蔵が八軒家で検問している新選組を目撃している。
鳥羽伏見の戦後、慶応4年(1868)1月6日、京屋へ投宿し、翌日大坂城へ入城したが、火災のため再度京屋へ戻ってくる。「京橋弐街目」の水帳(江戸期の土地台帳)には、船宿 京屋忠兵衛並びに船宿 堺屋源兵衛が記載されており、京屋忠兵衛の次の代が、京屋小次郎。そして明治期になって転売された。水帳は道主が変わればその上に紙が貼り付けられる仕組みである。
京屋の表口が11間(約20m)。奥野氏が、近年、フロマージュ天満橋店の許可を得て「京屋忠兵衛跡」の銘板を実費で建てられた。

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【楢崎龍ゆかりの地 天満八軒屋 船屋 京屋忠兵衛跡】
明治期に発刊されたお龍の回顧録では、大坂の女郎に売り飛ばされた妹の光枝の救出劇が語られている。
お龍の回顧録『続反魂香(四)』で次のような記録がある。
『お良は還って見ると、妹の光枝が居ませむから、如何したのかと母に聞くと、これこれと訳を話しましたので、そりゃ大変です。(途中省略)お良は、宜しいお母さん、御心配なさいますな、妾(わた)しが行って取り返して来ますからと、金子を調へて、先ずお吉(光枝をさらって売り飛ばそうとする狼婆)の家へゆき、此処で亭主と言ひ争った末に、愈大坂の居処が知れて、お良は大坂へ渡り、ドブ池といふ処に、お吉と他に男が三人無頼漢(ごろつき)風の奴が、光枝を取りかこむで何か言って居ります処へ、突然坐りこむで白眼(にら)み廻すと、流石の四人も不意にお良が来たので、唯、呆然と仕て居りました。軈(やが)て口を開き、おいお前さん方は、何たつて妹をこんな処へ連れてきたんです。母に聞けば大家へ小間使ひにやるとかいふそうですが、妾(わた)し眼の黒い内は、めつたに妹を他処へは遣りませむよ、さあ、妾(わた)しが妹を連れて帰りますから、其積りで居て下さいと、立上がって妹の手を執ると、一人の男が、矢庭にお良の腕を捉へて、やい阿魔(あま)、何でい、此女を如何するといふんでい、と眼を怒らせて今にも飛かゝらむ勢ひ。お良は平気で、何だとい、此女を如何する、フン自分の妹を自分が連れてゆくに何が如何したとお言ひだい、ふざけた事を言ひなさむな。(途中省略) 傍らにあった火鉢を執って投げつけますと、ぱつと上る灰神楽。即意即妙の目つぶしに、三人とも目をやられて、言ひ合したやうに台所へ馳せゆく隙を窺ひ、光枝の手を執って表へ出ますと、お吉婆が、背後から帯を捉えて引戻そうとするやつを、エイッと蹴飛ばして逃げ出し、八軒家の京屋といふ船宿に飛び込むで、三十石船に乗り京都へ帰って我が家へ着きました。帰ると妹の君江も連れて行かれたと聞き、母を叱咤し急いで連れ帰りました。』

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